冊子の形式について

冊子の印刷を発注するには、その冊子についての「仕様」を必ず決めておかなければなりません。仕様と一言でいっても、綴じ方式だけでも色々ありますし、上製本か並製本か、右綴じか左綴じか、どんな用紙を使うのか、製本サイズなど、幾つも決めることがあります。

ここでは、当サイトの目的である報告書の印刷を前提にして、主に使用される製本形式や綴じ方式、サイズを紹介していきます。


製本の様式

製本の様式には、大別して「上製本」と「並製本」とがあります。それぞれの主な特徴は以下の通りですが、報告書や業務マニュアル、会誌など当サイトの目的からすると、「並製本」で十分だと思います。

上製本

上製本とは、百科事典や辞書をはじめ、いわゆるハードカバーと呼ばれる書籍に使われる製本様式で、本文ページの断裁・仕上げの後に、板紙など丈夫な紙を利用した少し大きめのサイズの表紙でくるみます。表紙カバーや帯、見返し、遊び紙、スピン(紐のしおり)を付けたりと、高級感を演出する事ができるほか、長期保管に適した耐久性を持たせることも出来ます。

並製本

並製本とは、週刊誌などの雑誌から漫画や文庫本をはじめ、あらゆる小冊子に使われる製本様式で、表紙と本文を同時に断裁して仕上げます。一般に、上製本よりも安価で済みますし、何百ページにも及ぶ冊子で高度な耐久性が求められる場合や、或いは販売を目的とした書籍等でない限りは、並製本を選んでおけばまず間違いないと思います。


綴じ方式

報告書の印刷で多く使われるのは、「中綴じ冊子」または「無線綴じ冊子」となり、このどちらかを選んでおけば無難です。
下にそれぞれの綴じ方式の特徴を記しますので、より適した方を選ぶと良いでしょう。

中綴じ冊子

二つ折りにした紙を重ねて中央を針で止める綴じ方式で、ノド側(綴じ部分側)が最後まで完全に開けるのが特徴です。 8~40p程度のページ数の少ない冊子に適しています。

無線綴じ冊子

揃えた本文ページの背の部分を表紙でくるむように糊付けして止める綴じ方式で、用紙の厚さとページ数に応じた背表紙=背幅が出来るのが特徴です。中綴じとは異なり、ノド側が最後まで開けないのでレイアウトには注意が必要ですが、40ページを越えるような厚めの冊子に適しています。

 

綴じ方向

冊子の印刷物には、すべからく「右綴じ」と「左綴じ」という概念がありますが、特に難しい事はありません。冊子の綴じ方向に関しては、一般に以下のような決まりがありますので、該当する方を選びましょう。

右綴じ: 本文が縦書きの場合。

左綴じ: 本文が横書きの場合。

※報告書であれば、横書きが多いので「左綴じ」の場合が殆どだと思います。
ついでにいうと、漫画雑誌やコミックスは「右上から左下」に読み進めるために、仮に吹き出しの文字が横書きであっても「右綴じ」になります。


製本サイズ

製本サイズというのは、一言でいえば単純に1ページあたりの用紙のサイズがそのまま製本サイズにあたります。

また、製本サイズは小説、論文、漫画、写真集などのカテゴリーに応じて、予め新書判であったり文庫判であったりと、一般的に決まったサイズがありますが、学術関連機関や企業における報告書や会誌等であれば、A4サイズが大半になるかと思います。

※サイズに限らず、冊子の綴じ方式などの「仕様」に関しては、それ次第で作成するデータのレイアウトにも関わってきますので、最初に決めておく必要があります。

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